2015/12/14
JAPANESE NEW EXPRESSION 進化し続ける伝統工芸のCMF

日本の暮らしは、木と紙の文化だといわれている。

6世紀初頭に福井県越前市で始まった紙漉き。この地域で作られた和紙は越前和紙と呼ばれ、品質の高さと種類の豊富さから、高級手漉き和紙の産地として日本一のシェアを誇る。

長い歴史なかで受け継がれてきた和紙だが、時代に合わせた変化がみられる。越前市にある長田製紙所は、襖紙をはじめ、美術工芸紙、照明器具のデザイン・製造など多岐に渡る。その中で今までにない立体感のある絵のような和紙「HIRYU」を生み出した。13 - 4 13 - 1

HIRYUは、和紙特有の繊維のムラを活かして作られており、手で模様を描きながら何層にも繊維を重ね合わせ、凹凸を作ることで奥行きを表現している。また多様な色を表現するために、原料の中に顔料を入れ、同じ模様でも違った表情が生まれる。DSC_0894

HIRYUは従来の紙漉と異なり、手で模様を描くことができるため、繊細なものから大柄など表現の幅が広い。インテリアなどの分野で、用途やシーンに合わせて使用されている。表現力の高さと、立体感、また和紙独特の繊細さが、上質な空間を作り出す一躍を担っている。

伝統技術を活かした、今までにない立体的なテクスチャー表現は、素材の魅力を引きだすことで可能性が拡がっている。

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