〜自らデザインし、自ら製作する。オリジナリティを生かしたモノづくり〜 アルミ加工
技術取材第二弾はインテリアデザイン&施工とアルミやステンレスの加工によるマテリアル製作をしているディ-・ナイン有限会社の代表取締役 石井和憲さんにお話しを伺いました。もともと代表の石井さんがサイン製作と鍛造技術の会社を経て、デザインから製作まですべて出来る施工会社を設立したのがディ-・ナイン有限会社です。
初めは一点もののオブジェやパーテーションなどの製作をメインに手掛けていたのですが、10年ほど前からという「D-Motion」マテリアル事業を始めました。きっかけは設計からのリクエストで金属に色を着けたことでした。シャンパンゴールドを加えたクリア塗料でアルミを塗装したところ、その素材感が生きた美しい表現が高い評価を得て、資生堂から直接サンプルのオーダーを受けるまでの評判になりました。最終的に美しい椿の赤をイメージしたディ-・ナインのアルミマテリアルは採用され、ヨーロッパのショップに使われました。
ディー・ナイン有限会社(http://www.d-9.co.jp/)
新しい表現を追及して様々な手法を使う
代表の石井さんは、「基本的に作業は一つ一つ手作業。ディ-・ナインの基本理念は<人のこころに感動を与えられるものを創造し続けること>です。既製品や大量生産はほかの会社に任せ、自分たちにしかできない事で人に感動を与えたいと思っています。 」と言います。確かにこの「D-Motion」のマテリアルは、ナチュラルな柄やテクスチャーに大きな魅力があり、マネのできない美しさに繋がっています。そしてそこに至るまでは、手探りで様々な方法を試しながら新しい表現を創り上げているそうです。
深みのある美しい色合いはウレタン塗料を丁寧に塗り重ねることで再現されており、その仕上がりは、最も色に厳しいと言われる資生堂にも認められたのです。また、最近ではステンレスにスパッタリングで着色したものもあるそうです。アルミと違い錆に強いので幅広く活用出来そうです。

常に挑戦をし続ける
通常内装材として使用する場合は仕上げにポリマーシーク加工を行いますが、プロダクトの場合は別の加工が必要で、製品によって求められるスペックも違います。現在建材としての利用がほとんどのこの素材ですが、今後は様々な業界に対応できるよう、新しい仕様の塗料や仕上げにも挑戦中だそうです。

ディ-・ナインの石井さんは自らが職人であり、デザイナーであるために、デザインのイメージと技術がダイレクトに繋がっているようです。
色や柄なども、イメージをお伝えすると具現化してくれます。
そして常に新しい表現を模索し、挑戦し続ける姿勢で、開発にも積極的です。
石井さんの後ろに写っているのは、D-Motionの新シリーズ「New JAPANESE STYLE」です。
日本人特有の美意識、繊細で奥深い表情を表現したシリーズは大量生産では真似の出来ないニュアンスを含んだ表情が特徴的で、金属でありながら暖かみを感じるような独特の美しさがありました。
実験の繰り返しから生まれた美しさ
実際にどのようにこの美しい表情が造られるのか、見せて頂きました。
柄の付け方は様々ですが、一例として見せて頂いたのは、やすりで一つ一つ柄を付けるという方法。
アルミの板に手作業で柄を付けますが、この柄は石井さんの感覚で付けていきます。
薬剤を使ったり、治具を使ったりすることで表現のバリエーションはかなり多く、もちろんゼロからオーダーするオリジナルの意匠も可能です。

柄付けが終了したら、塗装です。何度も塗り重ね美しい色に仕上げます。調色も自在でカラーチップでもイメージからでもオリジナル色を調合してくれます。また、オリジナルの塗装技術で艶とムラを混在させた、まるで陶器のような表情も可能なのです。美しい色柄は何度も繰り返された実験の繰り返しから生まれていました。
塗装が終わると綺麗に磨き上げます。

オリジナルへのこだわり
代表の石井さんに、今後挑戦したい分野について伺いました。「現在はほとんどが内装材なので、今後はプロダクトに挑戦したいと思っています。プロダクトの場合は量産性や品質、色柄の安定性など、難しい部分もありますが、板厚や塗料などプロダクト向けの開発も行なっています。」
とのこと。是非プロダクト製品でもこの美しい素材が使えるようになるといいですね。

ものづくりに対する想いも「決して真似ではなく、自分達にしかできないオリジナルにこだわり創造し続けたい」と語って下さいました。
今後も素晴らしいものづくりを期待しています!