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Event Report

THE LONDON DESIGN FESTIVAL 2011

ロンドン デザインフェスティバル 2011

2011/10/14

2011年9月17日~25日まで開催されたロンドン デザインフェスティバル。
直前の暴動騒ぎなどもあり、不安が残る中での視察となりました。
22日、前日の台風の影響で飛行機が大幅に遅れ、長い移動でやや疲れてロンドンに到着してみると、何事も無かったかの様に皆普通に過ごしていました。ロンドン在住の友人に聞いてみると数日間は一部のおかしくなってしまった人達で暴動や盗難などが起こったが、2、3日で収まったとのこと。そうはいってもよく見るとあちこちで改修工事が行なわれており、暴動の爪痕も感じましたが。

さて、展示会は、というとメインの100%Designに元気がない!
規模はかなり縮小されていて、なんと今回一番大きいブースは中国でした。また台湾や韓国勢も大きなブースを出展し、日本としてのブースは無し。現在の経済状況とデザインにかけるお金とエネルギーの違いを痛感せざるを得ない状況でした。
欧州勢ももちろん元気が無く、若くてエネルギッシュなデザイナーは、出展料の高い国際展示場ではなく「TENT LONDON」などに出展しているようです。

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layer軽量感のある素材が重なり合う

ここ数年、非常に目立つデザイン手法として「Layer」は外せません。Layerといっても建築、インテリア、プロダクツ、様々な業界で使われている手法で表現も様々。一番代表的なモノは半透明素材や透かし彫りの様なパネルを重ね合わせるパターンですが、他にも異素材を重ね合わせたり、色を重ねたり、様々なLayerがを見ることが出来ました。
いくつか具体的な例を紹介します。
色のLayerとしてとても美しい表現をしていたこのラグはTENT LONDONやコンランショップで展示されていました。ミラノサローネでも多く見られた「色を中心としたデザイン表現」ですが、しばらくは「色」に注目が集まるでしょう。

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また重なり合う木々のイメージや繊細なラインを使ったCMFデザインなど、形状はシンプルでもサーフェイス自体が主役になるような手技を感じる表現が目立ちます。
フィルムや印刷を使った表現でもLayerを加える事で深みや奥行きを出す事が出来る為、技術的には平凡でも見せ方を工夫して新鮮な製品に仕立てていたのが特徴的です。この写真は異素材を樹脂に挟み込んだものと、植物モチーフのLayer表現

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Conpilation小さなものの集合体による仕上げ

今年位からからサーフェイス表現の方向性として小さな素材による集合体のような表現が目立ちます。それはどこか細胞を思わせるようなグロテスクなモノであったり、時には生命力やエネルギーを感じたりするものですが、そこには強烈に惹き付けられるような美しさもあります。またそこにはモザイクや点描を思わせる様などこか絵画的な、印象もあります。
この写真は全く何でもない小さな素材ノ集合体が魅力的なサーフェイスになった例。小さく折りたたんだ新聞を組み合わせたランプシェードはゴミすらも視点を変えれば素敵な素材になるというメッセージが込められています。
 

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糸を織るのではなく、無造作に束ねてパイルのように見せているソファは、実は糸の色使いを計算し、一つの塊にまとめています。細胞の塊のようにも感じる小さなつぶつぶの集合は人によってはグロテスクと感じるようですが、光の反射を利用して美しく輝く素材としてシンプルな造形と合わせており、更にLayer表現により深みを出しています。  

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Concreteコンクリートや岩の様なゴツゴツした質感

25年くらい前、コンクリートを外壁や内壁に使用するのが流行しましたが、現在ではファッションやテーブルウェアにまで使われています。コンクリートというと堅く無機質な素材のように感じますが、ムラや気泡がクールな中にも暖かみを感じさせるため、天然素材と人工素材の中間的位置づけとして好まれているのかもしれません。ここ数年無機質過ぎるモノは好まれない様になっており、自然のテクスチャーや風合いを持つ素材が注目されています。

コンクリートそっくりに印刷された壁紙。肉眼で見ても一瞬分からないほど精工な印刷。

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ファッション雑貨(クラッチバッグ)やインテリア雑貨(テーブルウェア)等にも使われ始めたコンクリート。今まで使われていなかった部分に使うのがのが新鮮です。

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ファブリックにコンクリートを塗布したような表現。本来柔らかいモノに、不自然なほどゴツゴツした硬い表情を持たせていますが、むしろナチュラルな印象を受けます。

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新しい素材というよりは、今までに無い使い方によって感じる新鮮さ。特に新素材は開発に時間もお金もかかるため製品化は困難なのです。そこでデザイナーは素材の使い方や表現の仕方を工夫します。ユーザーを惹き付ける魅力的なサーフェイスのために様々な分野にアンテナを張り、他業種の素材や加工方からインスパイアされているのです。デザイナーにとっては、今そこにある素材そのものが使えるかどうか、よりもインスパイアされた感性をどう落とし込むか?が重要になっているのです。

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APPENDIX

ミラノサローネではプロトタイプやブランドイメージを高める為のインスタレーションが多いのですが、LONDON DESIGN FESTIVALは製品販売のプロモーションやトレードショウの意味合いが強く、多くはすでに製品化された「商品」が対象になっています。

その為ミラノサローネとは少し違った傾向で、よりリアルな市場のトレンドを感じることが出来るでしょう。デザイン的にはインパクトがないように感じますが、基本的にすでに量産化されている商品なので、無理のない「表現」が中心になっています。このように展示会の目的を把握して複合的に見ることで、より的確な視察が可能になるのです。